10代の若年性脱毛症の原因は様々〜薄毛の原因別対策が必要!
髪の毛が薄くなってしまうことをまとめて「薄毛」「ハゲ」などと呼びますが、髪の毛が抜ける原因はさまざまです。
特に10代の若さで起きる脱毛症のことを「若年性脱毛症」と呼びますが、これは複数の原因をはらんでいます。
同じ抜け毛という悩みでも、40代の方が悩んでいるのであれば、それは90%以上の確率でAGA(男性型脱毛症)です。
しかし、10代の方や高校生の方に発症するこの若年性脱毛症の場合、その確率が大きく変わってきます。10代で薄毛に悩んでいる人が、40代向けの薄毛治療法を実践したとしても、効果が出る可能性はほとんどありません。
まずは原因を特定し、その原因に則った対策をとらなければならないのです。
そこで今回の記事では、どのような方法で10代の薄毛の原因を特定し、どのように対策をとればいいのかということをお伝えしていきます。
10代の薄毛は単純ではない
高校生や大学生の若さで、薄毛の悩みを持つ方が増えているようです。
薄毛と言えばAGAというイメージがありますが、年代別のAGA発症率を見てみると、20代で発症するAGAの割合はわずかに6%です。
10代のAGA発症率はデータ自体がありませんが、20代の割合の半分以下と考えて、3%以下であることは間違いないでしょう。
AGAが発症するのは早い人で20代の後半です。10代で発症するというのは、よほど特殊な事例だと言えます。
逆に、40代のAGA発症率は32%、50代のAGA発症率は44%、60代のAGA発症率に至っては51%と過半数を超えます。これらの年代で薄毛に悩んでいる場合、そのほとんどがAGAだと言えます。
そのため、AGAクリニックに通い処方される治療薬を使用することによって改善することができるケースがほとんどです。
しかし、未成年の薄毛の場合、話は単純ではありません。AGAが発症する可能性が極めて低いということから、AGA以外の原因も合わせて考えていかなければいけないのです。
考えられる若年性脱毛症(薄毛)の原因
では、未成年・10代の若者に発症する若年性脱毛症は原因として一体何が考えられるのでしょうか(若年性脱毛症とは10代や20代という若さで薄毛になってしまう現象自体のことを指し、特定の原因を指す言葉ではありません)。
男性型脱毛症
いわゆるAGAです。テストステロンという男性ホルモンが変化し、ジヒドロテストステロンという脱毛促進ホルモンになることによって起こる脱毛症です。
ジヒドロテストステロンは、毛根の内部に入り込むと、脱毛促進因子を発生させます。本来であれば、5年6年と成長を続けるはずの髪の毛が、その脱毛促進因子によって強制的に抜け落ちてしまうのです。
特徴としてはおでこの両側が後退するM字ハゲや、つむじが広がるO字ハゲという2種類の薄毛の進行パターンを持っているということがあります。
この2種類のどちらかに該当する抜け方をしていれば、AGAの可能性があります。
逆に、この2パターン以外の箇所の髪の毛が抜ける場合、AGAの可能性は極めて低くなります。
AGAの場合は、AGAクリニックで治療することが可能です。(ただし、未成年者の保護者の同意書や同伴が必要になります。また、フィナステリド(プロペシア)が使用できないなど、治療法も成人とは異なります)
円形脱毛症
10代で起こりやすい脱毛症の一つが、この円形脱毛症です。未成年という若さから考えるとAGAよりもこの円形脱毛症の可能性の方が高いです。
一昔前はストレスが原因と言われていましたが、現在ではストレス説は否定されており、免疫不全が原因とされています。
特徴としては一部分の髪の毛が局所的に抜け落ちるという進行の仕方をするということです。側頭部や後頭部などの1か所の髪の毛が集中的に抜け落ち、頭皮が露出している場合、円形脱毛症の可能性が高いです。
複数箇所に円形脱毛症が発症する「多発型円形脱毛症」や、円形脱毛症の面積が広がり頭髪全体にその症状が現れてしまう「全頭脱毛症」なども、円形脱毛症の発展型の一種です。
円形脱毛症になってしまった場合は、早い段階で皮膚科を受診し、専門的な治療を受診するのが良いでしょう。
炎症性脱毛症
頭皮で炎症が起こり、その炎症が悪化し、毛根の深さまで達してしまった時、炎症性脱毛症が起こることがあります。
脱毛症の中では原因がはっきりしていてわかりやすいです。
髪の毛が抜けている部分の頭皮を見ると炎症を起こしているのですぐにわかります。
炎症性脱毛症の場合、炎症を治すことによって髪の毛は再び生えてきます。
炎症の原因は衛生状態が悪かったり、皮脂が過剰分泌されていたりすることなので、頭皮を清潔に保ち、殺菌・抗菌作用のあるシャンプーを使用して洗髪することによって治療することができます。
栄養障害による脱毛
過度なダイエットしている女性などに起こりやすいのが、栄養障害による脱毛です。
髪の毛は食事で摂った栄養が血液を通じて毛根に運ばれ、その栄養素をもとに成長していきます。つまり、髪の毛の元となる栄養素を摂取していなければ髪の毛は成長することができないのです。
その状態が続けば、異常脱毛を引き起こしてしまう可能性があります。
この場合も前後の食生活を振り返ればすぐに原因はわかるでしょう。
解決策も簡単です。髪の毛に必要な栄養素を十分に取るようにしてください。
たんぱく質や亜鉛、ビタミンA、ビタミンE.ビタミンB郡などが、髪の毛に必要な栄養素です。
しかし、この栄養障害による脱毛症を引き起こしている場合、不足している栄養素はこれだけではなく、食事によって摂取できる栄養素全般です。
そのため、髪の毛に良い栄養素だけを摂取するというよりは、バランスの取れた健康的な食生活を心がけるようにすると良いでしょう。