プロペシア(フィナステリド)とザガーロ(デュタステリド)の違い

効果は同じ?プロペシアとザガーロの特徴を比較してみました

プロペシアとザガーロの違いを説明する医師

AGAクリニックで処方してもらえる医薬品の中には、フィナステリドという成分を主成分とした「プロペシア」と、デュタステリドという成分を主成分とした「ザガーロ」という2種類があります。

厳密に言うと、プロペシアのジェネリック医薬品やザガーロのジェネリック医薬品などもありますが、その配合成分はほぼ同じです。

そしてその効果は、どちらも男性型脱毛症の進行をストップさせるというものです。

効果が同じなのであれば、このフィナステリドを主成分としたプロペシアと、デュタステリドを主成分としたザガーロはどのように違うのでしょうか。

今回の記事ではこの2つの医薬品を比較してみたいと思います。

プロペシアとザガーロの違いは、その効果の範囲!

結論から言うと、プロペシアとザガーロの違いはその効果が現れる範囲です。

プロペシアは前頭部、つまり、おでこの薄毛に効きやすく、頭頂部、つまりつむじの薄毛には効果が現れにくいです。

一方、ザガーロは、おでこにもつむじにも、どちらにも効果が現れやすいです。

端的な言い方をすれば、ザガーロの方がAGAの治療薬としての効果が高いということが言えます。

では、なぜこのような効果の差が生まれるのでしょうか。

また、効果が高いのであれば、すべてのAGA治療薬がザガーロになってもよさそうですが、そうならないのはなぜなのでしょうか。

それを考えていくためにはAGA治療のメカニズムから理解していく必要があります。

AGA治療のメカニズム

そもそもAGAとは、本来髪の毛が抜け落ちる周期であるヘアサイクルを無視して、脱毛促進因子の働きによって、まだ成長するはずの髪の毛が強制的に脱毛させられてしまうという症状のことをいいます。

食生活や睡眠時間、紫外線など、細かい様々な要素はありますが、男性型脱毛症に関して言えば、この脱毛促進因子さえストップさせることができれば薄毛にはならないのです。

では、この脱毛促進因子はなぜ発生するのでしょうか。大元を辿ればそれは男性ホルモンであるテストステロンです。

といっても、テストステロンそれ自体は、何も悪い働きをしません。むしろ体を作る役割を果たす非常に大切なホルモンです。

悪い働きをするのは、そのテストステロンと5αリダクターゼという還元酵素が結びついたときに発生するジヒドロテストステロンという悪玉ホルモンです。

このジヒドロテストステロンが毛根内部でホルモン受容体に受け取られて作用することによって、脱毛促進因子が生まれるのです。かなり長い説明になってしまいましたが、これが脱毛促進因子は生まれるプロセスです。

そして、プロペシアに含まれているフィナステリドは、上記の説明の中に出てきた、 5αリダクターゼに作用します。

男性ホルモンであるテストステロンと5αリダクターゼが結合して悪玉ホルモンが生まれますが、フィナステリドはテストステロンとよく似た分子構造をしているため、5αリダクターゼがテストステロンと勘違いして結合してしまうのです。

すると、ジヒドロテストステロンは新たに生まれず。5αリダクターゼだけが消費されていくという形になります。

つまり、元凶である悪玉ホルモン・ジヒドロテストステロンが生まれなければ、脱毛促進因子も発生せず、薄毛も進行しないのです。

フィナステリドが革新的だった理由

フィナステリド(MSD社の製造するプロペシアという医薬品の主成分)は2005年に厚生労働省に認可され、日本国内で発売が開始されました。

それまで育毛剤といえば頭皮に塗布するタイプのものがほとんどで、内服薬で、しかも医師から処方してもらわなければいけないタイプの処方箋医薬品であるということで、話題になりました。

そしてその効果は、新たに髪の毛を生えさせるという「発毛」ではなく、男性型脱毛症の原因をストップさせるという脱毛予防の効果であるということも、この成分を特徴づけています。

人間の髪の毛は特別な問題がなければ、その寿命(男性の場合5〜6年)を全うするまで生え続けるという特徴がありますので、脱毛を阻止するだけでも、これまで生えてこなかった部分からの髪の毛が生えてくるようになるのです。

そういった意味では、髪の毛の生える力は本来の人間の力に任せ、男性型脱毛症という症状に関して薬品の力でアプローチしているという形になります。

こうしたタイプの薄毛治療薬は当時の日本では初めてでした。そしてその効果が高いことから、AGA治療を専門に扱うAGAクリニックなども生まれたのです。

新育毛成分デュタステリドとは?

薄毛の原因ホルモンを作り出す5αリダクターゼですが、実は 1型と2型が存在します。

そして、主に薄毛を促進させるのは前頭部に多く分布している2型の5αリダクターゼだと言われています。

とはいえ、1型の5αリダクターゼも、もちろんテストステロンと結合すると悪玉ホルモンであるジヒドロテストステロンを生みますので、結局はどちらにも対応しなければいけません。

ちなみにこの1型の5αリダクターゼは頭頂部に多く分布しています。そして、フィナステリドが影響を与える5αリダクターゼは、2型の5αリダクターゼのみです。

つまり、つむじに多く分布している1型の5αリダクターゼに、フィナステリドの効果は発揮されないということです。

しかし、2016年にザガーロという医薬品が厚生労働省に認可され、発売が開始されました。この主成分がデュタステリドです。

デュタステリドは、1型の5αリダクターゼにも作用するため、頭頂部で発生する可能性の高いジヒドロテストステロンの生成をブロックします。

新しい成分なので、フィナステリドに比べると価格は高くなっていますが、薄毛の原因となる5αリダクターゼをどちらもブロックしてくれるので、特に頭頂部の薄毛が気になる方にはおすすめです

ただ、まだ発売から間がないため、実績が少なく、その意味ではここまでに多くの人の薄毛を治療してきた実績のあるフィナステリドの方が信頼できる医薬品といえるのかもしれません。

まとめ

フィナステリドを主成分としたプロペシアは、おでこの薄毛に効果が高く、デュタステリドを主成分としたザガーロは、おでこにもつむじにも効果が高いです。それぞれの成分が働きかける酵素の種類によってこの差は生まれています。

ただし価格はデュタステリドの方が高いのでおでこの薄毛だけお安く治療したいのであれば、フィナステリドの方がコストパフォーマンス的には良くなります。

また、使用されてきた実績に関しても、フィナステリドの方が圧倒的に多いので、実績を重視するなら、フィナステリドの方が安心といえるかもしれません。

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