AGA検査とは?AGAに関する検査で何が分かる?
AGAクリニックで治療を開始する際に、多くの場合、遺伝子検査や血液検査を勧められると思います。
このような検査の結果、一体何が分かるのでしょうか?
また、どの程度の費用が必要なのでしょうか?
今回の記事では、そんな疑問を解消しAGAに関する検査についての理解を深めるために、AGA検査の種類や方法、目的、検査によって分かること等をまとめました。
AGAに関する2種類の検査で分かること
AGAに関する検査には、遺伝子検査と血液検査の2種類があります。
多くの人が、AGAクリニックで検査が行われると聞くと「AGAなのかどうか」を診断するための検査のことだと考えてしまうようですが、実はそうではありません。
ではなにが分かるのかというと、
血液検査では健康状態。
遺伝子検査ではAGAリスク(AGAになる可能性)やAGA治療薬の効きやすさ。
が分かるといわれています。
血液検査の方法と目的
AGAクリニックで行われる血液検査でわかるのは、その人の健康状態です。
検査方法は、健康診断や人間ドックなどで行われるものと同じように、注射器で血液を採取し、その成分を調べるというものです。
つまりこれは、AGAに特化した検査というよりは、一般的に広く行われている血液検査と、変わりないのです。
強いて言うならば、同じ検査をした後の、結果のクローズアップの仕方が違います。
AGAクリニックで行われる血液検査の場合、注目されるのは、
- 血液中の栄養のバランス
- 血液中のテストステロンの量
- 肝機能
という項目です。
血液中の栄養バランスが偏っていれば日頃の食生活が良くないということが伺えます。食べ物から摂取した栄養素によって髪の毛は成長していきますので、大きな偏りがあれは修正の対象になります。
また、血液中のテストステロンは毛根に存在する酵素の働きによってジヒドロテストステロンという薄毛を促進する悪玉ホルモンに変わります。
そのため、血液中のテストステロンの量が多ければ、AGAが進行する可能性を持っていると言えます。
また、フィナステリドなどの内服薬系のAGA治療薬を使用する際に副作用として注意が必要なのが肝臓機能の低下です。
.血液検査は投薬治療を開始する前と、投薬治療を開始した後の2回行われますが、その中で医薬品の成分が正常に分解され、血液中に残っていなければ問題はないのですが、高い濃度で残留している場合、肝機能に問題がある可能性があります。
遺伝子検査の方法と目的
遺伝子検査は血液検査に比べると馴染みがなく、どのようなことをするのか疑問に思われる方もいると思いますが、実際にすることは簡単です。
専用の検査器具を使って口の中の粘膜を採取し、外部の検査機関にその粘膜を送り、検査してもらうという形になります。
つまり、遺伝子検査当日に行うことは、粘膜の採取のみです。
また、遺伝子検査自体は送付先の検査機関が行いますので、どこか特定のAGAクリニックが遺伝子検査の精度が高いということはありません。
極端に言えば、アマゾンで販売されている遺伝子検査キットを使用して自分の口の中の粘膜を採取したとしても、送り先の検査機関が同じならその結果も同じになるということです。
この方法(遺伝子検査キットを購入して自分で調べる)と、得られる結果は同じにも関わらず、かかる費用は大幅に安くなります。
検査機関が調べるのは、遺伝子の塩基配列。
多くの人が見たことがあるであろう、あの二重らせん構造のことです。
遺伝子というのは、A、T、G、Cという4種類の塩基の組合せで作られています。
この塩基配列の特定の部位で、CAGという順番で塩基が並んでいる数を「CAGリピート数」、「GGCの順番」で塩基が並んでいる回数をGGCリピート率といいます。
CAGリピート数が23以下だとフィナステリドの効果が高くなる
GGC リピートするの数が38以下だとAGAの発症リスクが高い
と言われています。
遺伝子検査の信憑性は?
AGA遺伝子検査の方法や目的についてご紹介しましたが、実はこの遺伝子検査にはあまり信憑性がありません。
というのも、検査結果とAGAの進行状況に関して相関関係があるというエビデンスが乏しいのです。特に、AGAの発症リスクについては信憑性がありません。
なぜかというと、遺伝子検査で、AGAの発症リスクが分かると言われるようになった理由は、1998年に行われた小規模な試験でしたが、その後2012年に大規模な実験が行われた結果、GGCリピート数にAGAとの相関関係が認められなかったからです。
つまり、1998年の実験は、実験の対象人数が少なかったため、たまたま偏りが出たとも考えられます。
また、CAGリピート数とフィナステリドの効きやすさの関係についても、AGA患者149名を対象にした実験の結果、相関関係が見られたということが報告されていますが、これも実験規模はそこまで大きくありません。
これらのことから、AGA遺伝子検査は信憑性に欠けると言わざるを得ないのです。
AGA検査の費用
AGAの検査にかかる費用はクリニックによって様々です。
血液検査は、2000円程度〜8000円程度
AGA遺伝子検査は20000円
程度が相場のようです。
ただし、例外として血液検査に関しては無料キャンペーンを行っているクリニックもありますので、事前にチェックしてみて下さい。
(Gackt さんの出演しているテレビCMでもおなじみのAGAスキンクリニックでは「今だけ0円」キャンペーンがなぜか常に行われており、血液検査にかかる費用は無料になっています。)
ちなみに市販されているAGA遺伝子検査キットは楽天やAmazonで10000円〜13000円程度で販売されています。
まとめ
AGA遺伝子検査は、そこまで信憑性がある検査ではなく、しかも、「分かったところでどうしようもない」検査結果が出ます。
薄毛に悩んで通院しているのに「あなたはAGAのリスクが高いです」と言われても、「だから来てるんだ」と思ってしまいますし、「フィナステリドが効きやすい」「フィナステリドが効きにくい」などといった検査結果が出たとしても、どちらにしろ、フィナステリドを内服するしか方法はないのですから、(今はデュタステリドというものもありますが)わかったところで仕方がないのです。
血液検査に関しても、わかることは健康診断でわかることと、ほとんど同じ範囲のことですので、わざわざ高いお金と時間をかけて検査を行う必要性はそこまでないといえるでしょう。
もし検査自体が無料なのであれば、自身の健康状態を知るという意味で利用してもいいかもしれませんが、費用がかかるのであれば、あまりお勧めはできません。